既に納車は完了したのでブログにアップします。
先日入庫したハイエース。 盗難未遂の被害車輌です。
知人の経営する法人の遠方拠点使用車輌で、レッカーで入庫です。
スライドドアのノブ付近をこじ開けられ、
キースイッチ付近やイモビライザー(電子認証装置)周りなども破損。
プロの自動車泥棒はイモビライザーカッター(電子認証装置の解除装置)等を
持っているそうですが、今回はなぜエンジンが掛けられなかったのでしょうか?
物理的にキーを挿さないとイモビライザーの書換えが出来ないギミックに
対処しきれなかった・・・ そんな風に予想しますが、真実は犯人のみ知るところ。
そのまま諦めるだけでいれば良いものを、こともあろうに、証拠(指紋)隠滅の為に
室内中に消火器で消化剤を撒かれています。
雪が降り積もる景色はロマンチックですが、消化剤が降り積もる景色は壮絶です。
通常、このような状態で発見されると、消化剤が電子機器に悪影響を与えるということで
車のシートや内張り、ダッシュボード等の内装はもちろん、
メーターやコンピューター等等・・・ 180万円位 も修理費用が掛かります。
車両保険に入っていれば、保険で対応できるのですが…
今回の車は残念ながら車両保険の付帯がありませんでした。
ということで、とにかく動ける状態に! ということですが、
はて、どこから手をつけて良いのやら。
取り敢えず、掃除機で消化剤を吸い込み始めたところ・・・
間もなく、詰まりで全く吸い込まない状態に。
電子回路があるので水で流すわけにも行かず、
エアーで吹き飛ばすと周辺に多大な被害が広がるし・・・
と、いうことで!
掃除機のフィルターを水でろ過するタイプのものに改造して再挑戦。
今度は上手く吸えているようです。
ひと通り、吸い終わったところでエアブローをしてみると・・・
ものすごい消火剤の粉がエンドレスに出てきます。
それならと、メーター(メーターも分解清掃)周りやダッシュボードやドア内張りなど、
バラせる部分を全てバラしてゆくと・・・ 何処も彼処も粉だらけ。
外したパーツは単独で丸洗いして、その他部分はエアブロー&掃除機を繰り返しました。
それでも、電子回路のコネクター部分に入り込んだ消化剤は取れないので、
ありとあらゆるコネクターを外して洗浄し、接点向上剤(接触不良防止薬剤)を塗布してゆきました。
肝心の機械&電子的な部分は物理的に壊れている部分を交換し、
コンピューター診断、断線箇所点検修理やコンピューターのリセット等を進めた結果、
どうにか問題なく動ける状態になりました。
シートは掃除機え&エアブローに加えて、洗浄剤での清掃も行い、
壁や窓などはひたすら濡れ拭き。
もちろん、破壊されたスライドドア部分の鈑金修理も行っています。
ディーラーさんではとりあえず動ける状態にして、鈑金別途、
消化剤はエアブローのみで30万円の見積りでしたが、
太洋自動車では、各部脱着洗浄や、電子回路コネクターの洗浄&接点向上処理、ひたすら掃除。
そして鈑金修理も行なってそれ以下で済ませることができました。
とはいえ、本来は全配線&電子パーツ交換がおススメの盗難未遂&消化剤散布。
今回の修理内容や将来的な故障リスクを説明しての納車となりました。
残念ながら千葉県は全国でもベスト5に入る盗難多発地域。
ハイエースの他にはランクルやプリウスも海外人気があり盗難リスクが高いようです。
また、一昔前のスポーツカー、スカイラインGT-Rやスープラ、ホンダシビックTypeR等も
狙われやすいとのこと。 十二分に気をつけたいですね!
こんな事態に遭遇しない為にどうしたら良いか?! 列挙してみました。
① 駐車場所を考える
マンションの立体駐車場や人通りの多い駐車場、照明や防犯カメラがあるなど・・・
人目について、盗難に手間が掛かる場所が安全。
② 盗難防止装置
鍵を閉めるのは当たり前。
イモビライザー(電子認証装置)がついているとまずはひと安心ですが、
人気の車種はそれ以外にハンドルロックや輪止め、カーセキュリティ、
GPSなどを組み合わせるとより安心です。
③ 日頃より注意を払う
プロの窃盗団は下見をします。 怪しい人影や鍵穴のいたずらなど、
ちょっとした異変は盗難の前兆かもしれません。
④ 車両保険に加入する
万が一盗難にあった場合に慌てないために、車両保険(一般車両、車対車+A(範囲限定))に
入っておくと安心です。