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匠の技に触れる ”沖縄三線づくり”

2016/11/29

 気づけばもう師走。 めっきり寒くなりましたね。

風邪の流行る季節。 流行に敏感な自分は、一足早く風邪をひきました。

各々、健康には充分に気を付けたいものですね。


 わたくし事ですが、10月・11月は寒さにめげず慌ただしく動いた2か月でした。

先進安全自動車の自動ブレーキに関する技術研修や、最新の保安基準を学ぶ法令講習、

スズキ自動車の鈴木修社長の講演会、整備組合で落語家の三遊亭多歌介さんをお招きした

落語経営者会議?! 整備組合支部の研修(親睦)旅行 …

(これらについては追って記事にしたいと思って います(笑))

そして、その〆は…           ”と・ある 自主研修?!” です。


その、自主研修とは ! ・・・ 

(写真は過去のパンフ)


”沖縄三線づくり(沖縄三線大学への参加)” です。

”自動車整備と全然関係ないじゃない~” と思われるかもしれませんが、

はっきり言って、ものすごく為になりました。


伝統工芸士の方など、錚々たる三線職人の方々に直接ご指導頂きながら

世界に一つだけの ♪ My三線 ♬ を作ることが出来る 夢のような企画 ♪ です。 


2泊3日で行われた沖縄三線大学、

お休みを頂いて無理やり時間を作ったので行きの飛行機は始発の6:30発-9:06着、

帰りの飛行機は20:30発-23:00着という超強行スケジュール。

 開校式は9:00、作業スタートは10:00の予定ですが、9:45に到着すると・・・  

皆さん、既に作業を始めていました。

 本題に入る前に…

以前から持っている三線も三線製作体験で自分で組み立てたものです。

が、あくまでも出来上がっている棹(弦を張る棒の部分)にティーガ(タイコ)や

カラクイ(調弦ペグ)などを合わせて削って組み立てるだけのもので、

全部で5~6万円もしましたが、構成部品は海外生産の輸入物です。(きっと。)

*** ちょっと雑談 ***

昨今の三線を取り巻く世界は、経済のグローバル化によって大きく変化しています。


①輸入組み立て三線(1.5万円~10万円くらい、販売される三線の75%が海外産)

お土産用や、単に完成度を求めない楽器としての三線では、とにかく儲かるものを!

ということで、パーツを安く海外生産&輸入して組み上げるものや、

見た目重視のデザインイラスト三線や、木目が売りのウッド三線、ボルドー色の三線など・・・

いかに安く、いかにたくさん売れるかを求めて、様々に工夫され、大きく変貌を遂げています。

イメージ写真(ASOVIVAさんより)


②伝統的三線(工芸品的要素もあり。10万円~100万円以上)

職人が手作業で棹から削り出し、伝統的な形状や製作法に拘って作り上げる

工芸品としての一面も持ち合わせます。

昨今は職人の高齢化や後継者問題や技術継承、島内産材料の枯渇など様々な問題に直面しています。

(盛嶋開鐘 沖縄県立博物館・美術館所蔵)


今回、伝統的三線の職人さんと話していて三線業界を取り巻くいろいろな話を伺いましたが、

現状をいちばん端的に例えれば・・・

”海外産の三線を安売りしている三線屋は外国産高級車を乗り回していて、

昔ながらの伝統的三線を作っている職人は軽自動車に乗っているのさぁ~” 

ということかもしれません。

 入門用三線でポピュラーとなっている強化張り(タイコにニシキヘビの皮を張る方法)は

とある伝統的職人さんが生み出した方法だそうです。 そこに何件かの海外産系の三線屋さんが

張り方を教えてくれと習いに来たそうで、皆が使えるようにとやり方を教えてあげたところ・・・

とある海外産系の三線屋さんはさっさと特許を取得したということです。 

世の中、いろいろです。


 経済が優先なのか、伝統が優先なのか? 悩ましい問題です。

(何だか自動車の整備業界に於いても同じような構図がありますね~(笑))

今の世の中どちらも大切ですが、経済のグローバル化によって伝統技術が失われる・・・ 

そんなことが無いように三線組合ではブランド化に取り組んでいるそうです。

 (以下、沖縄県三線製作事業協業組合さんサイトにリンクあり)


 さて、ようやく本題入ります。

 

三線には基本となる7つの型(南原型・知念大工型・久場春殿型・久場の骨型・真壁型・平仲知念型・与那城型)

がありますが、真壁型の5開鐘のひとつ、湧川開鐘という形の三線を今回、自分は作りました。

  


三線で一番大切な棹の部分は拘った材料(フィリピン産の黒檀、八重山黒檀は入手不可)です。

材料となる木材は粗削りといって棹の大まかな形に削られたところからのスタートします。

少しずつ、少しづつ、やすりやノミ、小刀など様々な道具を駆使して各部正確に削り出してゆきます。

基準面を加工して、輪郭を加工して、棹部分の通し(直線)や微妙なしなり形状などを仕上げます。

最も気を使ったのは天の部分。 真壁型三線の特徴である丸くて優しい形ですが、削り方で随分と

表情が変わります。ご師匠の三線職人の先生に見てもらったところ、まだココが丸く無いよ!とか、

角のラインがしゃきっとしていないね~とか、お手本を見せて頂きながら試行錯誤しているうちに

どんどんとのめり込む自分がそこにいました。(笑)

最初のうちは誰より早いスピードで進んでいた自分でしたが、最終日の仕上げになると…

根っからの凝り性が現れてしまって、他の多くの方が出来上がって音出ししている最中も

ひたすら棹の仕上げに没頭していて…  

出来上がりの順番は… 11人中最後から2番目でした(笑)

出来上がりの良さは…  もちろん、自分の三線が最高! 

            もちろん、自己採点です(笑)


そこまでやっても、まだまだ気になる、まだまだやり残したことがある。

その一方で、限られた時間で十二分にやり切った! と、思います。


いろいろな職人さんがいて、それぞれ微妙にやり方も使う道具も、仰ることも違いますが…

目指す頂き、最高の三線を仕上げたい! という目標はみな同じ。


ベテランの工芸士の職人さんが行ってくれたMy三線の最後の組み立て調整は、

さすがプロフェッショナル! と思わせる技術で見ていて惚れ惚れしました。

(最後も仕上げて下さった工芸士”渡慶次さん”と)


こんな職人の世界にちょっと憧れる自分ですが、

良く考えれば自動車整備士もいわゆる職人な訳で…(笑)


”整備士にとって確かな技術でしっかりと整備をするのは当たり前、

それだけではなく、お客様により分かりやすく説明し、

カーライフについてアドバイスする。” この基本を忘れることなく、

これからも今まで以上に精進して頑張って行きたいと思います。


もうひとつ、頑張らないといけないことがありました。

もっと、もっと、三線の演奏も精進して頑張って行かないと!(笑)


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